Shimpei Wakida's Blog

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『人事の超プロが明かす評価基準―――「できる人」と「認められる人」はどこが違うのか』読んだ

人事評価に関する本は初めて読んだ。

「人事評価」というと、"マネージャーにとってもメンバーにとっても辛いイベント"というイメージがあるが、本来は「人材育成」のための「ポジティブ」なイベント。

褒めることでメンバーの期中の頑張りを認め、次期の期待値と合わせてフィードバックを行い、メンバーのモチベーションアップを促す。

急成長を導くマネージャーの型』によると、ベンチャーにおけるマネージャーの役割は以下の4つ。

  1. 経営からオーダーされた成果を残す
  2. 人的資産を維持・活用する
  3. 人を育てる
  4. 会社の中でチームを機能させる

この中で、評価は「 3. 人を育てる」にあたるマネージャーにとっての超重要業務ということになる。目標設定も、評価プロセスの一部である。

このように、評価/目標設定がマネージャーの仕事の全体像の中でどこに位置するのか構造的に理解できることで、より評価の仕事の目的の理解が進み、意義を感じやすい。

実際、前Qからチーム・個人の目標設定を現場で導入しているが、期末の評価が期初に立てた目標ベースでフィードバックでき、人材育成が”なんとなく”ではなく、少し体系的なものになりつつある。

大企業ではこれが当たり前のようにシステムとして存在していて、当時はその意義もよく分からなかった(実際、形骸化していたと思う)が、今なら目標設定の重要性がとてもわかる。

話を評価に戻すと、従業員の離職が多い会社は、往々にして"評価基準が曖昧"らしい。また、ちゃんと評価基準を従業員に公開している企業は上場企業でも 1/3ほどしかないらしい。評価基準が曖昧、あっても従業員に公開されていない。これが、評価への納得感を下げ、離職につながる。

自分の会社も、まだまだスタートアップということもあり、ご多分にもれず全社としてのきちんとした人事評価制度はまだない。とはいえ、評価基準はある。

整った人事評価制度を作ることはできなくても、「現状はこのように評価している」というのを出せる範囲で公開するのは、大事なんだろうなという気がした。

後半にあった「45のコンピテンシー」は、新人から役員クラスまで各ステージにおいて求められる、「成果を出すために欠かせない行動」。自らの仕事ぶりを顧みる意味でも非常によかった。