経営陣からのおすすめで読んでみた。
内容はタイトル通り、大きく分けると「問題解決」と「プロフェッショナリズム」という2つのテーマ。
著者によると、問題解決に関する技術やフレームワークは広まってきたが、「実践の方法論」はあまり語られていないとのこと。
「問題解決をどう実践するか?」という方法論での学びもあった。それよりも、プロフェッショナリズムについてここまで言語化している文献に出会ったことがなかったので、「プロフェッショナルとして、どういう姿勢で仕事をするべきか?」というマインドセット面での学びが多かった。
直近会社では経営陣によって行動指針がアップデート中で、途中経過ではあるが新たにプロフェッショナリズムに関する記述が追加されるらしい。本書がそのベースにあるらしい。たしかに、スタートアップで求められるマインドセットがいい感じに言語化されている本だった。
おそらく今後、本書を共通言語とした会話も増えてくるはずなので、血肉とするためマインドマップにまとめた。
以下、印象に残った部分と学びポイント。
- 問題解決とは論点に対する答えを出すことであり、行動にこそ意味がある
- 素晴らしい解決策を見つけたとしても、行動を伴わなければ意味がない
- プロフェッショナリズムにも通ずる
- なんとなく感じていたことがズバっと言語化されていて気持ちがいい
- 素晴らしい解決策を見つけたとしても、行動を伴わなければ意味がない
- 論点とは行動を決めるための問いであり、必ず「べき」が含まれる
- 『ロジカルプレゼンテーション』においては、「論点とは、『相手の意思判断に影響をおよぼす判断項目』」と定義されていた。本書における「『べき』が含まれるべきで、かつ『論点に答えをだす= 行動につながる』」 ということの言い換えといってもよさそう
- (仮説構築の話)その場で仮の答えを出さず後回しにすると、再度論点を思い出す必要がありコストが大きい。知的活動においてはノッているときに仮の答えであってもその場で決めることが大事
- 色んなことを思考していると、まさにこの状況に頻繁に出くわす。これまでの自分は緊急度低いものは後回しにしていたので、現状の少ない情報で一旦仮説出しまでやっておく癖をつけたい
- 問題解決においては、コンテンツ(分析結果により明らかになった取るべき行動)とコミュニケーション(行動を促す)は同格で大切
- コミュニケーションには「ストーリー」が必要
- ドキュメントのような情報は、二次元的情報である階層構造をそのまま表現できるが、コミュニケーションは一次元的である。それゆえにストーリーが必要。
- メンバーのライティングスキル向上のトレーニング題材として、ドキュメントとブログだとブログの方が難易度跳ね上がる理由があまり言語化できてなかったけど、ドキュメントは情報を階層構造のままに二次元的に配置できるが、ブログは読者へのプレゼンみたいなもんで一次元的だからストーリーが必要、ゆえに難しいのだな、と腹落ちした
- ドキュメントのような情報は、二次元的情報である階層構造をそのまま表現できるが、コミュニケーションは一次元的である。それゆえにストーリーが必要。
- コミュニケーションには「ストーリー」が必要
- プロフェッショナルとして常に結果を出し続けるためには、「ポジション」を取る必要がある
- 「お前はどう思う?」に答えられなければ価値がない。
- 個人的にはポジションとるの苦手、というかあまりできていないなと思った。特に、パっと質問されたときに普段思考できていない領域に関しては、「何とも言えないですね」「場合によりけりですね」といった、「何も言っていないのと同じ」な回答をして逃げてしまっていた。どんな質問に対しても自分の意見を述べるというマインドセットと、自分の意見を答えられる準備としてより広い領域について今よりも思考していく行動の両面での改善が必要そう。
- 「お前はどう思う?」に答えられなければ価値がない。
読書メモ
ブログ用メモ - はじめに - コンサルは東大生に一番人気の就職先 - 「問題解決力」「プロフェッショナリズム」という汎用的なポータブルスキル - 問題解決に関するテクニックは世に多い - 本 ex. - ロジカルシンキング - イシューからはじめよ - 仮説思考 - 論点思考 - 問題解決の全体感 - がしかし、「どう実践するか」についてはあまり語られていない - 行動にこそ意味がある - 問題解決とは行動を見つけることである - 論点とは行動を決めるための問いであり、必ず「べき」が含まれる - 問題解決の概要 - 問題解決とは - 論点に答えを出すこと - 論点とは行動を起こすための問いであり、それに答えを出すということは行動を決めることを意味する - 行動を見つけること - ステップ - ①論点を定義する - ②論点を小論点に分解する - ③仮説を構築する - ④論点と仮説を検証する - ⑤解を伝える - 自分がどの段階にいるのか常に意識する - 何度も行き来する - 第二章のまとめ - ●問題解決の目的は行動を見つけることであると認識するべきである - ●問題解決にはステップがあることを理解するべきである - ●問題解決において今はどの段階にあるかを把握するべきである - ●問題解決を進めるにあたっては行ったり来たりするべきである - ●問題解決のツールの背景にある考えと使いこなし方の理解に努めるべきである - 論点とは何か? - 論点 = 行動を決めるための問いであり、必ず「べき」が含まれる - 論点には必ず「べき」を含める - どんなに苦しくても、べきを入れる規律を守る - 「空・雨・傘」はフレームワークとして不完全 - 「論点・空・雨・傘」であるべき - 外出するにあたって傘を持っていくべきか?という論点があってはじめて、空・雨・傘が使える - 一文で明文化する - できない場合、論点が大きすぎる可能性 - その場合は分解する - 第三章のまとめ - 問題解決の初めには必ず論点を立てるべきである - ●論点には必ず「べき」を入れるべきである - ●苦しい場合であっても「べき」を入れる規律は守るべきである - ●どんなに細かいことでも論点はあると認識するべきである - ●論点は簡潔な一文で明文化するべきである - 論点を分解する - 論点は、ツリー状に小論点に分解する - 小論点は、直接検証可能なレベルに小さく - ex. - (論点)分析のために十万円のレポートを購入するべきか? - (小論点)●そもそもこの分析を実施するにはどのようなデータを入手するべきか? - (小論点)●必要なデータは当該レポート以外の方法で入手不能と想定するべきか? - (小論点)●この分析を少なくとも十万円の費用を掛けてまで実施するべきか? - 5分以上は1つの論点について考えない - 5分以上かかる場合は、論点設定が間違っている - 一人で思考しているときに陥りがち - 思考装置としての紙とペン - 「頭を使う時間」と「手を動かす時間」は分ける - 「頭を使う時間」 - 論点の設定や分解 - 「手を動かす時間」 - 実際の検証 - 頭を使う時間も、作業のためでなく思考のために手を動かすべき - ホワイトボード使ったり、マインドマップ使ったり - 補助線としてのMECEとふれーむわーく - 小論点はMECEであるべき - MECEに分けられた個別要素ごとに行動が変わることが求められる - そうでないと無意味な頭の体操になってしまう - イシューツリーはどこから着手すべきか? - 真ん中あたり - きれいにトップダウンで作れることはありえない - きれいにトップダウンできるのは、何かがおかしいサイン - トップダウン、ボトムアップどちらも利用する - 第四章のまとめ - ●論点はツリー上に分解するべきである - ●五分以上は一つの論点を考えるべきではない - ●論点は手を動かしながら考えるべきである - ●論点を考える上でMECEやフレームワークを補助線として活用するべきである - ●イシューツリーはトップダウン・ボトムアップに検討するべきである - 仮説を構築する - 仮説とは、論点に対するその時点でのベストエフォートでの答え - 仮説を作れないことはありえない - 仮の答えを出すことから逃げない - しかしその場で仮の答えを出さずにあとで決めようとするともう一度、論点を思い出したりする必要があるしまたそもそもその論点を検証するということを忘れてしまうリスクも存在する。知的活動においてはノッているときに仮の答えであってもその場で決めることが大事なのである Tokyo-Harbor,Tokyo-Harbor. Practicing Professionalism and Problem Solving (Japanese Edition) (p.47). Kindle 版. - 仮説によって検証点が明確になる - 仮説は、正しいかどうかではなく論理が通っていることに価値がある - 論理的な仮説ができたら、それを検証するだけ - 仮説思考の罠 - コンサル出自であるもの - コンサルは社内に知見を持っている人が多くおり、筋のいい仮説を出せる環境である - 知見のある人がいない場合は、浅い仮説になってしまう - 表層的な仮説をいくら検証しても説得力のない結論しかでない - そのため仮説を構築するときには、そもそも自分自身あるいは一緒に働いている人にこの論点に関する知見があるかを客観的に認識するべきである。客観的に、とは現実と願望を区別して、とも言い換えられる。もしもこの問いに対する答えがノーなのであれば稚拙な仮説の構築に時間を投入するよりも「筋のいい仮説を構築するためには何をするべきか?」という論点を立てるべきである。 Tokyo-Harbor,Tokyo-Harbor. Practicing Professionalism and Problem Solving (Japanese Edition) (p.50). Kindle 版. - アナリティカル思考とコンセプチュアル思考 - 2種類 - アナリティカル(分析)思考 - 論理的で網羅性担保されやすい - 斬新な視点は見つかりづらい - 論理的には正しいが問題を本質的に解決されない切り口に物事を分解してしまいがち - 論理的に正しいだけに厄介 - コンセプチュアル(概念)思考 - 大きな価値は、コンセプチュアル思考から生まれる - 第五章のまとめ - 仮説とはその時点でのベストエフォートの答えであると認識するべきである - ●仮説を出すことからは逃げるべきではない - ●仮説を出すことで検証点を明確にするべきである - ●筋のいい仮説が出なければ時間を区切って「情報の海を潜る」べきである - ●アナリティカル思考とコンセプチュアル思考を意識的に使い分けるべきである - 論点と仮説を検証する - What論が重要だがHow論も考慮する - 意味合い(示唆)とは何か? - 意味合い = 行動を起こすために事実を解釈すること - 論点によって意味合いの出し方は変わる - 情報だけでなく解釈にも価値がある - 強引に白黒をつける - 筋のいい意味合いを出すためには、強引に白黒をつける習慣を身に付けるべき - これは具体的にはある論点およびその上位の大論点を解こうとしているときに何らかの情報を得たらならば、その情報「だけ」で論点に解を出そうとするならば答えは何になるか、を考えるということである。 Tokyo-Harbor,Tokyo-Harbor. Practicing Professionalism and Problem Solving (Japanese Edition) (p.59). Kindle 版. - シンシシスとサマリーの違い - シンシシス(意味合い)は解釈、サマリーは事実 - 検証結果を「味わう」 - 確証バイアスにかかっていると、立てた仮説に反する事実から目を背けてしまう - 分析が終わったら、一定時間感情のままに分析結果を味わう - 問題解決におけるコミュニケーション - コミュニケーションとコンテンツは同格 - すばらしい分析により取るべき行動が明らかになっても伝わらず行動につながらなければ無意味 - 問題解決の成果は、コミュニケーションとコンテンツの掛け算 - 基本は、コミュニケーションを磨くことが問題解決の質を高める - ピラミッド構造とストーリー - ピラミッド構造がコミュニケーションに向いていない本質的な理由は、前者は二次元的な性質がある一方でコミュニケーションは一次元的であるためである。 Tokyo-Harbor,Tokyo-Harbor. Practicing Professionalism and Problem Solving (Japanese Edition) (p.69). Kindle 版. - ストーリー = 「情報を伝えるための順序」 - ビジネスにおけるストーリーの重要性 - ex. ストーリーとしての競争戦略 - ただツリーの上から説明すればいいわけではない - 具体例を説明してから結論を説明した方がいいこともある - 感情を乗せる - 背景と全体像は丁寧に説明する - 背景説明は原則としては以下二点 - ●そもそもなぜこのコミュニケーションが生じているのか? - ●このコミュニケーションの目的は何なのか? - 視覚情報、音声情報、文字情報 - 視覚情報>音声情報>文字情報 の順に伝わりやすい - プロセスに逃げない - プロセスとコンテンツ - プロセス = 問題解決の段取りやアプローチ - コンテンツ = 問題解決で解きたい論点の仮説ないしは結論 - 人はプロセスの話をしがち - 第七章のまとめ - ●コミュニケーションはコンテンツと同等に大事にするべきである - ●トップダウンスタイルにこだわらず聞き手の状況に合わせるべきである - ●コミュニケーションにおいては感情をのせるべきである - ●常に全体像を示しながらコミュニケーションをするべきである - ●コミュニケーションの前には背景の説明を丁寧にするべきである - ●可能な限り視覚情報を用いてコミュニケーションをするべきである - ●コンテンツとプロセスのコミュニケーションは明確に分けるべきである - プロフェショッナルとは - ビジネスパーソンとサラリーマンの違い - ビジネスパーソン - 肯定的 - 活躍している人 - 付加価値を生むことを目的としている - サラリーマン - 報酬を得ることが目的 - プロフェッショナルとは専門性と再現性である - 高い専門性と再現性を持って高い付加価値を出し続けることを目的とした職業人 - 報酬額は意識する - プロフェッショナリズムとは付加価値を出す姿勢である - 第八章のまとめ - 報酬を得ることではなく付加価値を出すことを目的とするべきである - 高い専門性と再現性を持ったプロフェッショナルを目指すべきである - 自分の出した付加価値の結果指標としての報酬の高さにはこだわるべきである - 自分がいくらの付加価値を提供しているかを認識するべきである - 必ず結果を出すという姿勢、つまりプロフェッショナリズムを持つべきである - 必ず結果を出すために - ポジションを取る - お前はどう思う?に答えられなければ価値がない - ラストマンシップを発揮する - リーダーシップ = ある集団の目的達成のために個が能動的に他者に働きかけながら活動を推進すること - リーダーシップ= ラストマンシップ - 自分が常に最後の砦であると考える - ラストマンシップを発揮した若い同僚 - コンプリートワーク - 社長だったら何をする? - 雨が降るのも自分のせい - 願望と現実を区別する - ベストを尽くしたのか? - プロフェッショナリズムは指針である - 現実問題、やりきることはとても大変 - 第九章のまとめ - ●常に「自分はこう思う」と言えるように準備をするべきである - ●ラストマンシップは立場に関係なく発揮できることだと理解するべきである - ●集団の目的を「自分事」と捉えてその達成方法を考えるべきである - ●成果物は常に完璧なコンプリートワークを出すべきである - ●自分が社長/上司/顧客だったらどうするか、と自問するべきである - ●何事も間接的にはコントロール可能であり自分に責任があると考えるべきである - ●願望と現実は意識的に区別しどんなに苦しくても現実を直視するべきである - ●強度の高い思考から逃げずにベストを尽すべきである - ●プロフェッショナリズムを実践できているかを常に確認するべきである - プロフェッショナルとして - 名著「競争の戦略」を33歳で出版したポーター - 独自の見解を持つ - 感情に従う - 第十章のまとめ - ●年齢を言い訳にせず二十代のうちから新しい知見を作ることを目指すべきである - ●日常的にものごとに対する意見を持つ習慣を身につけるべきである - ●感情を大事にするべきである