Shimpei Wakida のブログ

日々の学びをゆるりと。FinTechなスタートアップでRailsエンジニア・エンジニアリングマネージャー・スクラムマスターなどをやっています。

『SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ』読んだ

私の働く会社ではプロダクト2つ持っており、それぞれでチームが独立しています。

数ヶ月ほど前、私のチームでは私がスクラムマスターとなり、本格的なスクラム開発の導入を推進することになりました。 当時、会社にはほとんどスクラム経験者がいませんでしたが、ちょうどその頃、元トヨタでスクラム開発の経験者がもう一つのチームにジョインしました。その方と連携しながら知識をインプットし、なんとか本格的にスクラムを導入して約1ヶ月が経過。

スクラムの体系的なインプットは『スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus) 』をチームの教科書とし、輪読会を行いながら全員で行いました。

おかげで、スタートして1ヶ月経ちますが、全員がスクラムの価値や原則をある理解できているので、課題を前向きに捉え、改善を繰り返しながら少しずつ良い形になってきています。

うまく回り始めたスクラムチームですが、よりよいチームにすべく、私自身スクラムマスターというロールについての理解をさらに深めたいと思い、『SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意――メタスキル、学習、心理、リーダーシップ』を読みました。

結論、めちゃくちゃスクラムマスターというロールについての解像度が高まってよかったです。同時に、スクラムマスターの責任範囲が明確にわかったことで、それ以外のPO・開発者のロールについても理解が深まりました。

本書によると、スクラムマスターの役割を超ざっくりまとめると以下です。

  • チームの自己組織化の促進
  • コーチでありファシリテーター
  • デリバリーの責任は負わない

最大の目的は、「チームの自己組織化」です。これを達成するためにスクラムマスターは存在します。極論、完全に自己組織化したチームにおいてはスクラムマスターは不要といえます。

まあ現実的にはそんなチームは滅多にないでしょうから、タックマンの集団形成モデルの各ステージによって立ち振る舞いを変えながら、自己組織化を支援していくことになるでしょう。

タックマンの集団形成モデルとスクラムについては、こちらの @ryuzee さんのブログがとても分かりやすいです。 www.ryuzee.com

余談ですがこのブログ、「スクラムで困ったらとりあえず見に行け!!!何かしらのヒントが得られるはずだ!!!」と声を大にして言いたいくらい、スクラム開発に関する有益情報で溢れかえっています。超おすすめです。書籍に書かれている抽象的な内容と、現場で実践する具体とのちょうど間を埋める、「そうそう、これが知りたかったんだ!」という粒度の内容となっています。

あとは、スクラムマスターは基本的に「コーチング」に徹するサーバントリーダーなので、いわゆる問いかけスキルが問われますね。これは私自身も業務の中で実践しようとしてますが、とてつもなく難しいです。どこかで専門的にコーチングを学んでみたいとも思いました。

スクラムマスターにはもちろん、それ以外のスクラム開発に関わるPO・開発者にとっても面白い本だと思います。

付録(読書メモ)

  • スクラムマスターの役割
    • 自己組織化の促進
    • コーチでありファシリテーター
    • デリバリーの責任は負わない
  • スクラムマスターがマネージャーと兼務の場合(今これ
    • デメ
      • 命令的で、コーチングではなくメンタリングに頼りがち
    • メリ
      • 移行期には対応がすばやい
  • 結果
    • スクラムマスターの役割が軽く扱われる
    • マネージャーが意思決定・問題解決・調整を行うため、自己組織化・自己肯定感・当事者意識が弱くなる
    • → 移行期が終わったらスクラムマスターは他のメンバーに渡すべきだな
  • スクラムマスターの目的
    • リーダーシップ(サーバント)
      • スクラムを理解しているだけではだめ。リーダーシップが必要。
    • 1つのスクラムチームだけでなく、組織全体に目を配り、みんながよりうまく働けるようにすること
    • アジャイル移行期には、ガイド役となる
  • 仕事の仕方
    • 障害物の除去
      • 他のどんな管理職とも違う
        • 責任・活動・オーナーシップをチームに委譲
          • そうすることで、自己組織化が進む
    • ファリシテーション
      • ファシる際には、議論の内容や解決策には絶対に干渉しないのがルール
        • (マジか。死ぬほど意見出してる)
    • コーチング
      • 習得は大変だが、できるととても強力な武器となる
  • スクラムマスターの3つのステージ
    • 自チーム
    • チームとチーム外
    • 組織全体
  • タックマンの集団発達モデル(ここでも出てきた
    • フォーミング(形成期)
      • 会話もあまりない、スクラムの原則も浸透していない
        • このフェーズでは、ティーチング、説明すること、経験を共有すること、に時間を割く
    • ストーミング(混乱期)
      • スクラムは、チームの限界をこえるコミットメント・コミュニケーションを要する
        • チーム内で議論が激しくなり、冷静さを失うこともある
      • お互い一緒に働くことができそうなワーキングアグリーメントを作る
      • SMとしては、「ファシリテーション」が重要
        • 円滑なコミュニケーションを促す
    • ノーミング(統一期)
      • ストレスから解放され、一息つける
      • うまくいってる実感を得られる
      • 落とし穴
        • うまくいって、快適がゆえに「これ以上改善することはない」という思考に陥りやすいので、さらなる改善を促す
        • SMとしては、「コーチング」によって、チームの自己組織化を目指す
    • パフォーミング(機能期)
      • チームが自信にあふれ、常に良い方法を探している
      • SMとしては、観察し、以前の状態に戻らないように気を配る
    • メンバーが抜けたりすると、また以前のフェーズに戻ってしまう
    • → スクラムを始めるまえに同期作業をかなりやっていたことで、混乱期〜統一期 くらいの状態でスクラムをスタートできていたのはでかい。
  • 守破離
    • 習得するまでに数年かかることもある
      • まずは、1人の先生のやり方を徹底的に身につける
      • 複数の先生の意見を取り入れてみる
      • 独自のやり方に進化させていく
  • ファシリテーション
    • スクラムマスターのコアプラクティス
    • ファシリテーションとは、議論の枠組みと流れを定義すること
      • 議論の内容ではない 
    • すぐれたファシリテータは、準備はするが場の熱量を見て柔軟に対応できる
    • 実践
      • 会議の前に
        • 目的を明らかにする
        • SMART(具体的・測定可能・達成可能・合意済み・現実的・時間制限あり)
      • 会議中
        • 開始数分が極めて重要
        • 目的・期待される成果物・議題を常に共有する
          • 各自にとってこの会議がどういう意味があるものなのかを考えてもらう
  • コーチング
    • 最も重要なスキルの一つ
      • パワフルクエスチョン
        • 何を達成し、変え、獲得したいですか?
        • 今、あなたにとってなにが重要ですか?
        • 完璧なスタンドアップミーティングとはどのようなものですか?
        • 何がうまくいっていますか?
        • これまでどのような進展がありましたか?
        • 目標を達成するために何を変える必要がありますか?
        • それについてなにができますか?
        • 違うやり方で何ができますか?
        • やめるために何をする必要がありますか?
        • 他には何がありますか?
        • 次はなんですか?
        • 根本解決
        • フィッシュボーン
        • 5W1H
        • なぜなぜ5回