Shimpei Wakida's Blog

日々の学びをゆるりと.

『独学の技法』読んだ

独学を単なるインプットとしてではなくシステムとして捉え、より知的戦闘力を高めていこうという本。

読書後ブログ等でアウトプットする場合としない場合、明らかに前者の方が記憶の定着がいい実感があった。しかし、これまでその理由はうまく言語化できていなかった。「アウトプットするといい」のは漠然と理解できているものの、そのメカニズムはよく分かっていなかった。

本書を読んで、アウトプットする過程で何をアウトプットするか(抽象化)、どうアウトプットするか(構造化)の思考プロセスを経ることで、改めて整理された状態で記憶されるのだと理解できた。つまり、アウトプットすること自体よりも、そのプロセスに意味がありそう。

また独学の技法とは直接的な関係の薄い内容だが、個人的に最も刺さったのは以下の点。

「リベラルアーツを学ぶ意味④ 領域横断の武器となる」において、「リーダーになるということは『非専門家』になることである」と述べられている。その究極は社長。

リーダーの仕事は、領域を横断して領域内に閉じている領域専門家を共通の目的のために駆動させること。「何かおかしいな」と感じたら、非専門家としての立場から領域専門家に口出しをしなければならない。自分はマネージャーとして、ある種の非専門家としてプロフェッショナルのエンジニアメンバーと一緒に働いている。彼らと仕事をする上で、プロフェッショナルとしてのリスペクトを最大限持って接しているつもりだが、その反動として本来言うべきこと言えていないという状況はないか。振り返ってみると、少なからずそういった場面はある気がする。

しかし、「非専門家として専門家に口出しするのはいかがなものか」と遠慮するのはリーダーの責務を果たせていないことになる。

今後、自身の課題としてしっかりと向き合っていきたい。

以下読書メモ

- 独学はシステム
    - 戦略
    - インプット
    - 抽象化・構造化
    - ストック
- 重要なのは覚えないこと

## 序章
- 学ぶだけでも、考えるだけでもだめ
- ケーススタディは、「自分ならどうしたか?」を考えなければ意味がない
    - インプットが「学び」、抽象化が「考える」
- 戦略
    - 何をインプットしないか
    - 知的戦闘力を高めないものはインプットしなくてよい
        - 政治ゴシップ
    - 宿題)自分にとっての戦略は?
    - 戦略は、荒い方向性だけでいい
        - 偶有性からしか大きな学びはない
- インプット
    - 本やネットの情報は、誰かの知的生産物なので、それを元に知的生産するのは劣化コピー
    - 自分の五感で収集した情報は唯一無二
- 抽象化
    - 情報に意味づけする
    - 「問い」のないところに学びはない
-
## 第一章 戦う武器をどう集めるか

- テーマが主、ジャンルが従
- 盲目的な読書はバカになる
- いちチームにジャンルは複数またがる
- 自分が既に持っているものに着目する
- ポイントは2つ
    - クロスオーバー
    - 既にもっているものに着目

## 第二章 生産性の高いインプットの技法
- 長期的にアウトプットとインプットの量は同じになる
    - 機会費用
- メタファーとメトニミー
- 読書量に比例して読書スピードはあがる
- 情報量ではなく情報処理能力がボトルネック
    - 意図的に遮断すべき

## 第4章 ストック
- 記憶に頼らない
- いけすに情報という魚を生きたまま泳がす
- 分厚い知識ストックが常識を相対化する
    - 終身雇用は日本の伝統でもなんでもなく最近の話
- 常識を疑う「why」思考がイノベーションをうむ
    - 自分は全然ないなー
- 創造は、新しいものを生み出すのではなく、既存のものの組み合わせでしかない(by ジョブズ
    - だからこそ、アイデアの種となるストックを取れだけ持っておけるかが重要
- アンダーラインは「事実」「洞察・示唆」「行動の指針」に引く
    - 共感できない・反感を覚える情報にもアンダーラインを引く
- 転記する箇所は、「9箇所」に絞る
    - 9という数字に意味はない
    - 全て転記することはコスパ悪い
    - 絞る過程で、再度読み込むので記憶の定着は高まる
    - → ブログに書くのは、まさにこの行為
- 読書ノート、適度に読み返すことが重要

## おわりに
- 独学者こそが、世界を変えてきた