Shimpei Wakida's Blog

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違う抽象度で生きる者同士は会話できない?『具体と抽象』読んだ

具体と抽象

具体と抽象

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今の会社では、本書は『ロジカルプレゼンテーション――自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」』と並び、論理思考を鍛えるための必読書となっています。

一度半年ほど前に一度読み、最近Audibleで聴き放題対象に含まれているのを発見したので復習がてら聴きました。

「抽象レベルの違う世界を生きているもの同士は会話ができない」
「より上位の抽象世界に生きるものは下の世界が見えるが、下から上は見えない」

という、世の冷酷な真実を突きつけてくれます。

この「抽象度の違い」という概念を知ってからは、普段の仕事の会話で意識するポイントに「抽象度」が加わりました。

話が噛み合わないとき、噛み合わない理由はお互いの議論対象の抽象度の違いだけではないですが、抽象度が合っていないとほぼ確実に話は噛み合いません。

実際、「あ、今相手と抽象度の違う話をしている」と気づき、議論を軌道修正できたということを何度も経験しました。

また別の話で、「学習」において「子どもは具体から、大人は抽象から学ぶと効率的」という話が印象的でした。

一般的に、大人に比べて子どもは抽象度の低い具体の世界で生きています。

なので、子どもは具体の事象をたくさん学び、そこから一定の法則を導き出して抽象度を上げていくという帰納法的アプローチが向いているそうです。
逆に、大人は子どもよりも抽象度の高い世界を生きています。まず抽象概念の理解から入り、そこから具体例を学んでいくほうが効率がよいそうです。

これを自分の学びに転用すると、ある程度実務で経験があり知見を持っている分野については、抽象度の高い理論を説いた本を読んでも学びに繋げられますが、知見のない分野で同じことをやっても難しいといえそうです。

名著と呼ばれる古典は、普遍的がゆえに抽象度の高い内容であることが多いです。経験のない分野の名著をいきなり読んでも理解できない。たしかにこれは、実感とも合ってます。

学びを深めるための方法としては、まずは具体例をたくさんインプットし、古典の名著が理解できるようになったらそちらにシフトしていく、というのがよさそうです。