Audibleで聴きました。記事執筆時点で、聴き放題対象。
山口周さん著・『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』に登場するビジネス書マンダラ(これだけ読んでおけばOK的なやつ)の一冊。
※ 読了したものにチェック入れてる
「あの会議の意思決定には個人的には反対だけど、あの場の空気ではさすがに意見できないよねーw」というような居酒屋での会話を聞いたことは、一度や二度どころではない気がします。
実際、自分も同じ行動を取った経験があることを否定できません。
論理よりもその場の雰囲気の方が勝つ、これがまさに「空気」です。空気は、それほどまでに強力です。
第二次世界大戦下での非論理的な意思決定を題材とした本で、論理よりもはるかに強い力を持つ「空気」が分析されています。非常に面白い本でした。
英語の慣用句で、「Elephant in the room」というものがあります。直訳すると「部屋の中の象」ですが、「部屋の中に象がいるのは誰の目にも明らかで、おかしいけど、見て見ぬふりをする」というものです。さらにいうと「それを言い出すことができない空気に支配されている」ということで、これも空気による支配の一例です。
仕事をしていると、「論理的に間違っていると感じても言い出せない空気」に遭遇する機会が多々ある気がします。人間の性質上、この状況が生まれること自体には恐らく抗えません。
しかし、「これってやっぱりおかしくないですか?」と言える人間には価値があると思いますし、そういう人間でありたいですね。
また、「組織の文化」も一つの空気のようなものです。バリューや行動指針は「会社として大切にしたいこと」です。それに沿った行動をすることは称賛され、逆は非難されることになります。その「空気」があることで、メンバーが行動指針に沿った行動を取る、という力学が働きます。
行動指針に沿った行動を取るようになるかは、もちろん空気だけでなく評価などのインセンティブによるところもあるかと思います。しかし、直接的なインセンティブだけでなく、組織を支配する「空気」による影響も無視できないほど大きいものであると、個人的には思います。
行動指針の例は「いい方向に持っていくため」の空気です。組織への貢献として、文化の体現者となり、いい空気(文化)を醸成し、悪い空気には一石を投じることができる、そんな人でありたいです。